切絵作家の美意識

切り絵作家の活動、美意識等を書いていきます。

minneのアワードに受賞したことがきっかけで始まったジュエリーへの取り組み

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ジュエリーのブランドに取り組むことになるとは、6年前までは想像もしていませんでした。ファッションやトレンドにも疎く、自分の世界を突き詰めて成り立つデザインや作品にばかり取り組んでいたのですが、ふと手元にある切り絵をアクセサリーにしてみたら、とても素敵なのではないかと思ったのがきっかけ。そして、その後minneの「クリスタルデコレーション大賞」というアワードに部門受賞したことが、アクセサリー・ジュエリーへの本格的な取り組みを後押ししました。

「クリスタルデコレーション大賞」は、ハンドメイドサイト「minne」と、ヒューマンアカデミー株式会社が共同で主催していたアワードで、スワロフスキーを用いで、独自の創作を発表するというものでした。

コンセプトは、

“本物のデコレーション文化を日本に、そして世界へ”

テーマは、

「愛しい誰かのためのクリスタルデコレーション」

そういった趣旨のもとであれば題材はなんでもよく、とてもキラキラとした創作で胸躍る取り組みでした。私は太陽の作品いっぱいに、太陽の輝きをイメージしてすスワロフスキーを散りばめました。切り絵にスワロをデコレーションする、という発想が今までになく独創的、ということで、クリスタルデコラティブアーティストアンバサダーの宮崎美樹さん、星野佳世子さんと、SWEETA編集長・仁尾佐依子さんによる厳正なる審査を経て、最優秀賞/部門賞が決定されました。決め手は、ベースになっている切り絵の繊細さと作品としての完成度、アイディアとセンスが高く評価された、ということでした。

賞をいただき、その特典として、minne LAB 世田谷(東京都世田谷区にある「IID 世田谷ものづくり学校」の施設内にあるminneのギャラリー)での受賞作品の展示のほか、「Crystal Beads Jewelry 」の2級・1級の講座を受けさせていただくことに。

ちなみにこのコンテストで最優秀賞を受賞されていたのは、Decorumさんの「カラー気球モービル」。手作りの気球いっぱいにスワロフスキーがデコレーションされていて、とても綺麗でした!何より、気球というのが夢があって素敵なチーフでした。

私が部門賞を頂いた作品は、月と太陽のこちらの太陽。

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小学校から同級生で幼なじみ・ピアニストの瓜生恭子さんによるmodelのパワーで、作品がいっそう耀きを放ちました。切絵で作られた太陽の胸当てにスワロフスキーをふんだんにデコレーションし、太陽の輝きを表現しています。

これは、CDアルバム、「月と太陽」のウィジュアルデザインアクセサリーとして制作致したもので、美しく光り輝く太陽の女神をイメージしています。

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胸当てとして制作しているものの、さすがに日常的に胸当てとして使用するのは困難なため、インテリア/美術鑑賞用作品として販売いたしました。

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私は正直、こちらの商品が賞を頂くと思っていませんでした。応募の動機は、CDのビジュアルづくりの時期とこのコンテストの募集時期とが重なって、丁度、手元にスワロで切り絵をデコレーションした作品があったから。たまたまでした。他の応募作品はどれもこれもキラキラと女子力の高そうなものばかりで、ちょっとかなわないなあと思っていたのですが、忘れた頃に、「おめでとうございます、あなたの作品が受賞致しました!」の連絡が。

実物を額に入れて郵送しなければならなかったのですが、なかなか良い額が見つからず、手頃なサイズの額の縁に更にスワロフスキーデコレーションをして、太陽の作品を額装しました。そしてそれが、しばらくの間、世田谷ものづくり学校の一角にある、minneのアトリエにて展示されていました。こんなごつい作品が賞を頂けてとても嬉しかったです。

コンテストのテーマである「愛しい誰かのための~」という点に関しては、あとからそのテーマについて知ったくらいで、とにかくひたすら切り絵にスワロをデコした、という点では、あまり誰も取り組んでいないような事をしたかなあと思います。

誰かの為の~という点で素敵だった作品は、banari-iovさんの、子供の成長の証を大事に保管するための「ニコニコキッズの乳歯ケース」でした。乳歯ケースにデコレーション・・・というのもかなり独創的で、とにかく、SWAROVSKIを何にデコレーションをするか?」というのがどの作品においてもかなり重要なポイントだったようです。

私は、それまで「デコラティブアーティスト」という分野がある事すら知らなくて、これをきっかけにその世界を少し垣間みる事になりました。スワロデコとか、アクセサリー制作とか、そのようなキラキラした分野には縁遠いと思っていましたが、受賞特典で受けることになった Crystal Beads Jewelry の講座では、教材として扱っているパーツがスワロフスキーエレンツだったり、輸入チェコビーズだったりと質も良く、それをきっかけに色々なパーツ屋さんに足を運ぶようになりました。(近々、魅力あふれるパーツ屋さんのお話にも触れたいと思います。)

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月と太陽CDジャケット完成版、現在のKIRIEBIJOUの原型となる
カジュアルな切り絵アクセサリーを身につけています。

今までアクセサリーを身につけることすら興味のなかった私が、今では、どんなデザインにしたら、アクティブでバイタリティ溢れる女性に喜ばれるオシャレなものにできるのかをいつも考えていて、人生って本当にわからないものだなあと思います。これからも、身につけていて負担がなくキラキラとした輝きを楽しむことができるジェリーをたくさん作っていきたいと思います☺️

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